小学生になるとひらがなを習います。
発達障がいにより、見る力に影響がある方はひらがなの形を捉えることが苦手です。
一つ一つの形を見る力が形を捉える力が向上することはひらがなの獲得に繋がる力の一つです。。
その理由を今回は振り返ります。
見る練習についてはこちらもどうぞ
ひらがなに苦戦する子どもとの療育
ひらがなに苦戦する子どもの様子を見ると苦戦の仕方にいろんなパターンがあります。
- 線の1本1本の形が捉えられない(向きが逆。丸みが作れない)
- 線の数が分かりにくい(多い、少ない)
- 線の最初から最後まで見られない(「あ」の最後の画が〇になる)
- 線の位置関係がバラバラ
見る力の影響ですが、見る力の中でも
- 形を見る力
- 位置関係をつかむ力
など理由は様々です。
今回は
- 線の1本1本の形が捉えられない(向きが逆。丸みが作れない)
- 線の数が分かりにくい(多い、少ない)
こういった児童に形を一つずつ見る練習を行いました。
保護者に説明をしている際に
「この練習は何故必要ですか」
と聞かれました。
自分の考えを伝えるも上手く伝えられない。
これは自分の落とし込みが曖昧な証拠です。
なぜ一つ一つの線を見ることが大切かを考えていきます。
色や形を認識すること
色や形を認識することは同じものや異なるものを分ける力に繋がります。
発達の過程で自分の体の傾きを通じて縦、横、斜めの方向をつかんでいきます。
それを複合させて形成されるのが三角や四角といった形です。
ひらがなは複数の線で構成されています。
- 線の方向が分かるか否か。
- 自分の書いた字とお手本が何が違うか
この判断は文字の認識や書いた字の振り返りに影響します。
線の方向や形を認識できることで平仮名の構成を見ることが出来ます。
そのため形を捉える力が必要になってきます。
また、大きさや向きが違っても同じ形と認識する力もひらがなの獲得に必要になります。形の恒常性といいます
黒板の文字も先生の書く字も同じと捉えることや線の方向が変わっても分かるなどの力が線の形や成り立ちが変わっても線の集合体として字を捉える力になります。
はねやはらい複雑な線の構成も恒常性を捉える力が上がると理解しやすくなるでしょう。
参考文献:発達障害のある子どもの視覚認知トレーニング 本多和子
複数の中から一つ一つを見つける能力
字はたくさんの線から構成されています。
多くのモノを一度に見ても認識する力が弱いと線を見跳ばしてしまったり、一つ一つの線を見ることが難しくなります。
少ない刺激の中からすこしずつ大きな刺激を見ていくことが必要になります。
また、一つ一つは見れても処理をするのに時間がかかると疲労に繋がり学習意欲が低下します。
複数の刺激から一つに注目する力や処理をする力が必要になります。
参考文献
長所活用型指導で子どもが変わる
コグトレ
一つ一つの形に注目する意味のまとめ
ひらがなの獲得につながる遊び
では、ひらがなの練習に向けてどのような練習が必要か。
遊具等体を使った遊び
パズルボックスのような形を体感する遊び
見て頭の中で形を考えていくためには、ブロック等触れて形に触れていく体験を促します。視覚だけではなく触覚や体を動かす感覚等複数の感覚を通じて形を体験していきます。
見て形を捉える練習
プリントを通じて見て線の方向や形を捉える練習をします。
点つなぎやなぞり書き、マッチングを通じて一つ一つ見る練習をしていきます。
コグトレは練習方法の一つになります。
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コグトレは難易度を下げたものもあるので、児童の状態に合わせて使い分けることが出来ます。