大人できれいな鉛筆の持ち方をしている人が減っている印象。
利用者の中で鉛筆のことで悩んでいるお子さんは多くいます。
正確には悩んでいるのはお子さんより保護者です。
児童は自分の鉛筆の書きにくさに気づいていません。
鉛筆の使いにくさは、
- 疲労のしやすさ
- 集中力の低下
- 上手く書けないことからの自己肯定感の低下等
に繋がっていきます。
鉛筆操作では手の発達がどの段階かということも影響します。
スプーンと同じですね。
きれいな持ち方を促しても手の発達が追い付いていないと疲労につながるだけです。
そもそもきれいじゃない持ち方をしている人が街中にはごろごろいますが。
手はすぐに発達するのか。それはNOです。
すぐ変えられるのは道具と環境。
今日は書字の時に出来る鉛筆操作の工夫についてまとめます。
太いものを使う
鉛筆を持つことが苦手な子は太い鉛筆を使うのが良いです。
親指が手の平にくっついているような手の使い方をしている子がいます。
そんな子は親指が手の平から離れて操作する対立の動きを促したいです。
鉛筆を太いものを使うことで親指と人差し指のスペースを作るアシストをしてくれます。
マジックで書く練習をすることで手の使い方を学んでくれる子もいます。
プロッキー位の太さが良いです。
たくさん書くことで手に力を入れる感覚をつかんでいきます。
鉛筆であれば公文の三角鉛筆が少し太くなります。
また面が平らなので押さえる時に力が入りやすいです。
シャーペンであればステッドラーのシャーペンが太いです。
芯が1,3mmのため、書いている感じも分かりやすいですが、本体と替え芯が少し値が張るのが気にかかります。
薬指と小指で消しゴムを持つ
鉛筆は親指と人差し指、中指で持つ3指持ちで操作をします。
そのためには薬指と小指の安定が必要になります。
鉛筆・はさみであろうが箸であろうが、Ⅰ~Ⅲ指が操作の主となると思いがちである。果たしてそうであろうか。対象者は、道具を使用するにあたって、「力が入らない」と訴えることが多い。よく観察してみると、Ⅳ、Ⅴ指のパワーが不足していることに気がつく。
引用 作業療法における上肢機能アプローチ 山本伸一 書
消しゴムやティッシュを薬指と小指で握ることで安定しやすくなります。
安定すると、3指持ちの操作が行いやすくなるので、書字が行いやすくなります。
輪ゴムをつける
指先に力が入りにくい子は書いているうちに手がどんどん下に落ちていくことがあります。書字の際に机から返ってくる力に抗うことが難しいからです。
輪ゴムを持つ所に巻くと滑り止めの効果が出ます。
弱い力でも固定しやすくなるので、書字が行いやすくなります。
以上、書字動作の工夫についてでした。
今後も書字でこんな工夫が出来るよということがあれば紹介していきます。
それではまた。