体操教室にて
現在長女は週に1回体操教室に通っています。
体操教室ではさまざまな競技を行っています。
先日の教室では鉄棒を行いました。
その時の子どもたちの手の使い方を見てて感じたことをまとめます。
親指を使う?使わない?
鉄棒を握る手に注目してしまうのは職業病です。
娘が鉄棒をする時の手に注目をしてしまいます。
長女は鉄棒の時に親指を使わずに人差し指~小指のみを使って行います。
それでは手で支える力が弱くなってしまいます。
ぶら下がっている時に落ちることもたびたびありました。
2歳の時から言い続けて早や2年。
最近ようやく親指を使おうとするようになってきました。
ちなみに次女は現時点で親指を使って鉄棒をつかみます。
私は仕事柄日々、発達障がいの児童と関わっております。
発達障がいの子の保護者の悩みで多く挙がるのは、子どもの手先が不器用なことです。
そして、不器用な児童は親指を上手く使えないことが多いです。
長女も器用ではありません。
そんな不器用な子たちが鉄棒の様に何かにぶら下がると親指を使っていないことが多いです。
親指の使い方と不器用さには関連があります。
そんなことを日々考えていると体操教室での子どもたちの親指に目がいきます。
すると意外と親指を使っていない子がいることに気付きます。
気になって数えてみると
22人中11人が親指を使っていませんでした。
ちょうど5割。
昔からこれくらい親指を使わない子がいるのか。
手を使わない現代社会の影響なのか。
意外な結果に驚きました。
親指の役割
手はいろんな役割や機能を持ちますが、指の中でも親指はとても重要な役割をもちます。
人差し指~小指の腹の部分(爪と反対の場所)と接することが出来るのは親指のみです。人差し指と中指の組み合わせでは出来ません。この部分は柔らかく、持つものによって形が変わるので道具が操作しやすい箇所になります。
道具を操作する時の手の使い方を把握といいます。
作業療法士の鎌倉矩子さんは把握を以下のように定義しています。
一つの手で物を空中に拘束している状態
鉛筆やお箸操作も道具を空中に拘束している状態になります。
鉄棒は支えているのは支柱ですが、手で持つことで空中に拘束することになります。
さて、その把握をNapier(1956)という方が2つに分類しました。
力を入れる作業が細かい作業をするかによって手の使い方は変わります。鉄棒は握力把握、鉛筆やお箸は精密把握です。道具操作で力の補助をしたり、道具を安定させることに親指の役割があります。
親指を使う機会を増やしたい
手を使う時には使う前に先行して手をどんな形にするかを状況に合わせて考えます。
・鉄棒だから力を入れよう
・鉛筆だから細かい動きをしよう
物や状況に合わせて手の広げ方、手の形を決めてから把握は行われます。
小さい子は手が小さいことから鉄棒で親指を使いづらい。使わないほうが持ちやすいとも聞きます。
しかし、手が小さいということだけでは、次女が親指を使っていることが説明しきれません。
鉄棒等で親指を使わないことから手のイメージや使い方のスキルの未成熟さが伺えます。
指をたくさん使う、小さいモノを挟むなど手を使う機会を増やし、親指のイメージを高めていくことは手先の不器用さに対する支援になります。
先ほども挙げたように現代社会では手を使う機会が少なくなり、手のイメージ固めをする機会が少ないことが予想されます。
手を使う、親指を使う機会を促し、出来ること、やりやすくなることを増やしていきたいです。
今後も生活から気が付いたことを振り返っていきます。
手は使うほど発達する。
それではまた。
参考文献