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【子どもの発達】数の理解はいつから?数の側面や数えること、認知について!

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次女の年齢

誕生日を迎えた次女。

「今何歳?」

と尋ねると、指を3本だして

「6歳」

と教えてくれます。

長女が

「(自分は)次の誕生日で6歳になる」

という言葉が染みついたのでしょう。

すこしずつ指の数が3本であることに気づき始めています。

しかし、まだ完璧にマッチングしていないので、だんだんフリーズするようになってきました。

5歳の長女は気づけば、200までの数字を数えようとするようになりました。

(なぜか110~119を毎度とばします)

 

次女も1~8くらいまでは数えるようになってきました。

(数えている時の手と口は合いません)

 

考える力が発達することで数を使って分かることが増えていきます。

 

数の理解は計算を習う前に深めていきたい知識の一つです。

数について、数に関する発達について確認していきます。

数の側面

はじめに数にはどんな側面があるのかを

書籍 [長所活用型指導で子どもが変わる]

を通じて確認します。

 

数には3つの側面があるとのこと。

 

①数詞 いち・に・さんという音。「言語的・聴覚的シンボル」

②数字 1,2,3という形。「言語的・視覚的シンボル」

③事物 〇、〇〇、〇〇〇という具体的な事物。操作可能なモノであり、「視覚的・操作的シンボル」

 

こちらに1、2、3、4、5という[系列]の習得が加わってきます。

 

1というのは〚いちであり、1であり、〇である〛という3つの対応が必要になってきます。

これは算数の第1歩目とのこと。

こちらの理解が無い中で計算を理解することは難しいでしょう。

たまに計算の意味は分からないけど、暗記で計算を覚えたという方もいらっしゃいますが。

 

この3つの側面の理解について次女と長女の状況を確認すると、

 

次女は

  • 数詞と事物が合わない
  • 数字が分からない
  • 数える時は指の動きと口が合わない(音と操作があわない)

といった状況です。

 

長女は

  • 100以上の系列が曖昧
  • 音と事物のズレに気づくことが出来る

といった状況です。

年齢によって数の理解に差が出ることがよく分かります。

数の理解について娘たちの様子

数の理解の背景には、自分の数えようとするものを分類する力や数えるモノと数詞をあわせる1対1対応の力も必要になります。

次女は数える際に、1,2と数えている間に指が3も4も進んでいくため上手く数えることが出来ません。

数えるモノは合っており、分類はできているため、1対1対応がまだ育っていないことが伺えます。

 

また、数を数えた際に1回目と2回目が違った時には

  • 長女は違和感に気づき数えなおそうとする
  • 次女は数えることに成功したと思い数えることを辞める

ここにも認知の発達に差を感じます。

数に関する発達の月齢

次女と長女を比べると数の理解にも年齢による発達が大きく影響することが分かります。

数の理解はどのような順序で発達していくのかをいくつかの文献を通じて確認していきます。

乳幼児精神発達質問紙

乳幼児精神発達質問紙の説明はこちらから

 

言語の項目で

60ヶ月[5歳0ヶ月]の項目で

数字ををひろい読みをする

とあります。

 

同じく60ヶ月の項目

さいころの数がわかる

とあります。

言語的・視覚的シンボルである数字と言語的・聴覚的シンボルの数詞が合わさってきていることが分かります。

 

66ヶ月[5歳6ヶ月]の項目では

数字を書く

という項目があります。

このことから、数字の理解が5歳で成長してくることが分かります。

 

72ヶ月[6歳0ヶ月]になると

ぶらんこなど回数を正しく数えて、順番をかわる

という項目があがります。

6歳にもなると視覚的・操作的シンボルである事物を通じて行動が変わっていくことに驚きです。

 

運動の項目では

84ヶ月[7歳0ヶ月]になると

かぞえ歌をうたいながら、まりをつく

遊びをしながら数をあやつれるくらい数の理解が成熟していきます。

遠城寺式乳幼児分析的発達検査

遠城寺式乳幼児分析的発達検査についてはこちらから

 

yotrkosodate.com

 

言語理解の項目で3歳4ヶ月から3歳8ヶ月の項目で

数の概念がわかる(3まで)

 

4歳から4歳4ヶ月の項目で

数の概念がわかる

とあります。

どこまでの理解をさすかは具体的に分かりませんが、少ない数の数詞と事物がマッチしていくことが伺われます。

10くらいかな~?

保育に役立つ!子どもの発達がわかる本

書籍〚保育に役立つ!子どもの発達がわかる本〛 金子龍太郎氏、吾田富士子氏監修でも、年齢別に数字に関する発達の様子が書かれています。

 

 

3歳の項目では

  • 10までの数が言えても、数が分かっているわけではありません。
  • 3までの数字がわかるようになります。

書くという記載がないことから、はじめに数詞が発達していくことが伺われます。

そして3までの数字では数詞と事物が合わさってくるでしょう。

 

6歳の項目では

20~30くらいまでの数を唱えられるようになります。

数字へのイメージが広がっていくのが分かります。

6歳のころには遊びを通じて数にふれる機会を増やすことで、学びの芽生えにつなげていくことを目標としています。

数に関する発達のまとめ

■数に関する発達■
  • 3歳頃から数の理解が深まっていく
  • 3歳頃で3までの理解が深まる
  • 5歳頃で数字の理解が深まる
  • 遊びの中で数を交えることが理解の深まりにつながる

認知の発達による数の理解について

発達の側面をカテゴリーに分けると[認知]というカテゴリーがあります。

認知機能とは、

さまざまな事象の特質や状態、その関係性や法則性を「知り」、「判断する」はたらきである。

とされています。 引用 発達段階と作業療法[基礎編]

 

考える力、知能に関係する力です。

数はさまざまなモノの関係性や法則性に関係するモノです。

認知については有名な[ピアジェの認知発達理論]の数に関する項目に注目します。

直感的思考段階

4~7歳ごろの段階を直感的思考段階とされています。

まだまだ正確に情報が処理できない前操作期的段階ともされています。

しかし、前操作的段階の後半であるためにその先にある概念の形成が出来ていく操作期に近づいていく時期です。

 

  • 体で感じたことから思考される0~2歳の感覚運動的段階
  • 自分の持っているイメージで思考が左右される前概念的思考段階

 

それらの段階を通過して迎える段階です。

 

ものごとをある程度、分類したり、関係づけたり、まだ特殊な状況から一般的な法則を帰納することが出来るようになる。

引用文献 発達段階と作業療法[基礎編]

 

すこしずつ、数やモノの関係性、分類等がこの世の中にあるということが分かり始める段階ではあります。

 

概念を学んできているモノのまだまだ自分の知覚に影響を受けてしまうが故の【直感的】です。

特に視覚体験に支配されてしまいます。

 

目の前で同じ量の粘土をひとつは団子に丸め、ひとつは棒状に伸ばして、どちらが大きいかと聞くと必ず長いもののほうを大きいと答える。

 

この時期に同じ量の粘土を同じ形にすると「同じくらい」と答えるかと思います。

しかし、見た目に変化が生じると量にも変化が起きると感じてしまう。

形が変わっても物事の性質は変わらないということが難しいようです。

 

豆を指で触れながらひとつ、ふたつと数えていって数唱の最後の数字が9であれば豆が9個あったと理解する。指の押さえ方が間違って最後の数唱が8で終わると、8個あったという理解になり、前回と今回でその数が異なってもそれには矛盾を感じない。

 

数の概念が形成されていれば、数えなおす場面。

数の理解がすすんでいくと、同じものの数が変わるということはありえないので、あの手この手を使って間違えない方法を探ります。

しかし、自分の見え方が数の概念を上回るため、8で終わったという見え方で満足する段階のようです。

まさに直感的!

まだまだ数の理解が一般的な法則にいきついていません。

具体的操作期

7~11歳くらいの認知発達段階は[具体的操作期]です。

 

一つ手前は前操作期。

ついに操作期に!。

情報の処理が上手くなっていきます。

 

見たり、聞いたり、経験したことやものについて考えるときに、具体物を用いて、あれやこれやとシンプルに考える時期です。

引用文献

 

自分の感覚ではなく、具体的なモノを通じて考える。

自己中心的な考えから脱却して法則や関係性から考えようとすることが伺えます。

 

算数での足し算や引き算など具体的に数を操作することが行われます。

足し算や引き算を習い始めるのは小学1年生ですね。

これは認知の発達の面で年齢に合った関わりだということが分かります。

 

また、具体物を用いるという点から経験が認知に影響を与えることが分かります。

過去の経験を基に考えたり、考えを紐づけたりすることで考えを深めていく時期でしょう。

保存について

具体的操作期の後半になると見た目や直感で左右されていた情報の処理の仕方が変わっていきます。

9歳、10歳までは

  1. 二つの容器に同じ量の水を入れる
  2. 大きさの異なる別の容器にそれぞれ移す

この作業により、細い容器に入れると見かけの高さが上がるので増えたと答え、

太い容器だと見かけの高さが下がるので減ったと答えるそうです。

しかし、容器が変わっても水の量は変わりません。

この概念を【保存】といいます。

 

具体的操作期の後半に近づくにつれ、この法則が分かってくるようです。

直観的思考段階では粘土の見た目の違いで大きさが変わると考えていたことから認知の仕方が発達していることが分かります。

 

この時期になると数を数え間違えた時の違和感にも気づくでしょう。

 

その他にも

A>B

B>C

つまり、A>C

という考えは7歳ごろでは難しいようです。

この概念を【系列化】といいます。

そのため、背の順に並ぶことは低学年では時間がかかります。

9、10歳ごろになると身長○○cmと数字を扱えるので早くなっていきます。

 

 

さいごに

数の理解は認知の発達が必要な経験が深く関わっていくことが分かります。

認知は頭の中で行われることです。

しかし、いきなり頭の中で考えられるわけではありません。

大事なのは体験すること、経験すること。

頭を使う前にまず体から。

経験の量は子どもの力につながります。

 

生活にいかに数をからめるかは子どもが数の理解をすることの手助けとなるでしょう。

 

今後も、今回のように発達の側面に関する内容を振り返っていきます。

それではまた。