MENU

【自閉症当事者の本】東田直樹著 「跳びはねる思考」を読んで。気になる4つのキーワード!

東田直樹さんは自閉症の当事者です。

自閉症の程度は重度でありながらも、文字盤やパソコン操作を通じて援助なくコミュニケーションを可能としています。

自閉症を呈する方と関わる際に、独自の感性と行動から

「今何を感じているのだろう」

「今何を大事にしているのだろう」

と気になることが多々あります。

その内面の部分を東田さんは書籍を通じて教えてくれます。

書籍を読む中で気になる言葉をいくつかピックアップしていきたいと思います。

自閉症とは

最近では発達障がい、自閉症、ADHDという言葉は色んな所で聞くことが増えました。

自閉症には3つの特徴があります。

  1. 著しい社会性の障害
  2. コミュニケーションの障害 
  3. 限局された、異常な、強い興味・関心や反復行動 

上記内容により社会活動に影響を来たす方が自閉症という診断を受けます。

診断は質問や行動で判断をされます。。

背景には

  • ヒトの考えが分かりにくい
  • 言葉を言葉の通りに受け止める(風呂見ててと言われたら溢れても風呂を見てるとか)
  • 興味の偏り
  • 視野の捉え方 etc

様々あります。

人によっては、声を出したり、くるくる回ってみたり、急に走り出したり、いろんな行動をされます。

その反面、寡黙だったり、疲れやすかったりする人もいます。

要は個性によって変わります。

関りの中で、何かを考えていたかが予想できる時もあれば、よく分からない時もあります。

背景の影響が行動に出ているのでしょう。

どういった背景があるのかは人それぞれで僕が想像できていないことも多くあることでしょう。

 

書籍の「跳びはねる思考」では、そのような行動に対して東田直樹さんはどう感じているか、その背景を教えてくれます。すべての自閉症の方に当てはまるわけではありませんが、そう考えていることもあるんだな、と参考になります。

今回は、書籍を読んで気になったキーワードを上げていきます。

キーワード1 行動を自分の意思でコントロールする

インタビューをしている時に、東田さんが椅子から立ち上がり床に寝転がります。しばらくすると立ち上がり、着席されました。再度着席することが大変だったかと聞かれこう答えています。

そう、大変でした。僕は行動を自分の意思でコントロールするのが難しいのです。そのために、気持ちに折り合いをつける必要があります。だから、時間がかかるのです。

一見やる気のなさや嫌気によるものに感じますが、そうではないようです。

自閉症の特徴で挙げた内容よりも衝動性に関する内容に感じます。自分の意思よりも寝ころがろうという気持ち、行動が勝ってしまう状態です。

心の中ではインタビューの途中ということは分かっていても行動してしまう。その行動を抑えるのに時間がかかるのでしょう。体が心を追い越してしまう。結果、社会活動に影響を与えます。(対人交流)

自閉症の児童で作業途中で突然寝転がる、走り出すという児童がいます。疲れやすさや集中が持続しにくいことが影響していると思うこともあります。

「疲れた」と感じた時に意思よりも先に寝転がろうという行動が勝つのかもしれません。

無理やり起こすよりかは自分の行動と折り合いをつける機会を作る方が大切に感じます。

「自分で折り合いをつけられたらおいで」

児童への声掛けをするには支援者の忍耐力が必要です。

キーワード2 記憶は線ではなく点のようなもの

失敗をしたこと自体は覚えていても、いつ、どんな失敗をして、自分がどうしなければいけなかったのか、記憶がつながらないのです。

 

僕の場合はやってしまったと失敗に気づくところまでは、普通の人と同じですが、その記憶は、すぐにどこか遠くに行ってしまいます。似たような状況になっても、思い出すことはありません。

失敗を減らすためには起きたことを理解し、気をつける点を意識することが大切です。

自閉症を呈する児童で同じ失敗を繰り返す子がいます。時には、声掛けを受けて泣く子もいますが、泣き止んでしばらくして時間が経つと同じことをします。

感情に残っても覚えていない印象です。

前述にあった行動のコントロールも影響しますが、覚えていないこと、覚えていても場面と繋がらないこと影響することを示唆します。

自分で記憶の管理が苦手であれば、絵カード事前の声掛け等記憶の補助をする手段を利用する、環境を調整するなど児童を取り巻くモノに働きかけることも支援に繋がります。

キーワード3 人が見えていない

僕には人が見えていないのです。人も風景の一部となって、僕の目に飛び込んでくるからです。山も木も建物も鳥も、全てのものが一斉に、僕に話しかけてくる感じなのです。それら全てを相手にすることは、もちろんできませんから、その時、一番関心のあるものに心を動かされます。

声掛けをしても気づかれないということが多くあります。

気づいていないような態度をとりますが、本当に気づいてないのかもしれません

視野では、中心視野に注意が向いて、周辺視野に意識が向きにくいことがあると聞きます。色んなものが飛び込んできた時に声掛けをされても、どこからの誰からの声掛けかを意識することは難しいのかもしれません。

また、関心のあるものに心を奪われていると過集中するのかもしれません。

いずれにせよ、気づかれないことにじたばたするよりも、声だけでなく、肩を叩いたり、正面に入ったり等五感に働きかける等の配慮が必要になります。

挨拶について

上の内容は僕が読んだ勝手な感想です。

東田さんはこの章では、挨拶について触れています。

挨拶は「好意を持っています」という挨拶と東田さんは捉えています。

そんな挨拶が最も苦手なコミュニケーションと感じるとのこと。

それは人間が魅力的な存在ではないからだと予想されています。

他に魅力的なモノがたくさんあるという風にも捉えられます。

ただ、コミュニケーションをとる中でこの人とは関わる価値があるな、と思ってもらえることが大切に思う内容でした。

キーワード4 ありのままの僕でもいいことを知る

まず驚いたのは、こんなにも多くの障害児がいることでした。専門の勉強をされてこられた先生や優しい友達に囲まれて、ありのままの僕でもいいことを知りました。

東田さんは小学校5年生まで普通クラスに在籍され、その後養護学校(特別支援学校)に転入し、高校生の時に自分の力を試すため、普通高校へ進学されました。学びたいという気持ちが強かったのでしょう。普通クラスから養護学校に転入されて感じたことが上記の内容です。この内容は視覚障がい者の広瀬浩次郎さんも記述されていました。

 

yotrkosodate.com

 

マイノリティの中で共感しあえる仲間がいることが自分を愛するためには必要となります。自分の世界と違う世界とを比べる時の東田さんの発言は悲壮感が現れます。

自分の世界を愛するためには受け入れる仲間や環境が必要ということを二人の当事者が教えてくれます。

 

最後に

書籍では他にも気になるキーワードがたくさんあります。

当事者の本を読むことでこんな視点もあるんだと感心することばかりです。

東田さんの書籍は「自閉症の僕が跳びはねる理由」や「東田君、どう思う?自閉症者と精神科医の往復書簡」等、多数あるのでそちらでも気になるキーワードを見つけていきたいです。

 

 

今後も書籍から感じたことをアウトプットしていきます。

それではまた。