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【どうして声がでないの?】場面緘黙症とは?接し方について考える。

今回も書籍の内容の振り返りを行います。

今回の書籍は

どうして声が出ないの?漫画でわかる場面緘黙です。

 


 

こちらは場面緘黙児支援のための情報交換ネットワーク団体であるかんもくネットが編集に関わっています。

場面緘黙症の症状対応法等について記されています。

場面緘黙症とは

書籍にて、場面緘黙症は

家では、普通に話すのに、園や学校など特定の状況で話せない状態

とされています。

僕が出会うお子さんたちの中にも、診断を受けている方がいらっしゃいます。

 

緊張しているような印象を受けるお子さんたちがいる反面、

園児でも、意外と母から離れてスタッフの話を聞いて活動に取り組める子もいます。

 

遊びにも参加しますが、やりたいことや手順について声掛けをすると返事はありません。

活動への参加の意思や想いを表出しないと伝わらない場面でも言葉は出てきません。

この時には、下を向いて固まっている子が多いです。

 

お子さんによって、

  • 手で〇、×を作って返事をする
  • カードで〇、×を示す
  • ホワイトボードに書く

という方法なら意志の表出が出来る子もいます。

3つ全部出来る子もいれば、3つとも出来ない子もいます。

 

「あいうえおのボタンを押すと音が出るおもちゃ」でなら会話が出来る子もいました。

人によってまちまちです。

 

発症数は0.2%から0.7%

21年度の出生数は81万人のようなので、同学年に5670人ほどの方が場面緘黙症になるお子さんがいる可能性があります。

学生時代を振り返っても、一人、二人思い当たる子がいるので身近なモノにも感じます。

 

ちなみに知的障がいや自閉症スペクトラムを呈する児童は他の原因により対人とのやり取りの苦手さを感じるので区別されるようです。

区別されているだけで同じような状況の子は自閉症でも知的障がいの子にもいるように感じます。

どうして声が出ない?

声が出ないことには諸説あるようですが、

書籍では脳の扁桃体が影響している説を紹介されていました。

 

扁桃体
情動に最も関与する脳部位。送られてきた情報を素早く判断して、速やかに身体反応を起こす。反応は無意識下で起こる。

 

大脳辺縁系と呼ばれる古い脳の中にあります。

原始時代など死と隣り合わせの世界を生き抜くため、危険にすぐ反応できるよう頑張ってきた場所です。

 

テレビのドッキリでびっくりしやすい人も扁桃体が反応しやすいのでしょう。

 

場面緘黙の方はこの扁桃体が反応しやすいようです。

 

生まれつき扁桃体が反応しやすい方10人に1人くらいの割合でいる。

扁桃体が反応している時は緊張状態になり、疲れる。

そのため、人前に出るとドキドキしやすい。話そうとするともっとドキドキするから扁桃体が反応しないように話さないでいることが習慣になる。

 

という説です。

 

扁桃体が反応しやすい方の割合は1%になるので、場面緘黙症の方はその中でもさらに反応しやすい方なのかもしれません。

 

扁桃体は無意識の反応なので、自分の意思とは飛び越えて行動をコントロールします。

 

声を出したいと思っていても出ない状況ということは理解しておいたほうが良いです。

経験値をあげるという考え

書籍で印象に残ったのは、緊張状態に入りにくくする方法として「経験値をあげる」というものです。

経験値をあげて成長していくことで緊張状態になりにくくなっていく。

緊張状態になりにくくなる活動が増えていく、という考えです。

 

経験値の積み方の中に不安緊張度を軸に行動を評価していくものがありました。

不安緊張度を軸とした評価の内容

この評価は行動を不安緊張度で5段階評価するものです。

レベル1 らくちん

レベル2 ふつう

レベル3 すこしこわい すこしきんちょう

レベル4 かなりこわい かなりきんちょう

レベル5 ものすごくこわい ものすごくきんちょう

 

行動を上記5段階に分けていきます。

もちろんいきなりレベル5を求めるのは経験値にはなりません。

小学生に大リーガーのボールを打てと言っているようなものです。

 

レベル2やレベル3の行動を行っていきことで、経験値があがっていきます!

不安のjust right challennge ですね。

 

野球選手イチローの名言の中に

 

小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道

 

というものがあります。

自分たちに出来ることをひとつずつ行うことは未来の自分たちに繋がっていくことを感じます。

 

書籍は漫画で解説をされていて、他の経験値の積み重ね方、評価表や周囲の人にどう伝えたら良いかなど場面緘黙症で気になることが記載されております。

 

今後も書籍の内容と臨床を照らし合わせて振り返っていきます。

それではまた。


 

 

just right challennge についてはこちらから

 

 

作業の分析についてはこちらから

 

yotrkosodate.com