書籍を読んで
書籍「自閉症児者の発達と生活 共感的自己肯定感を育むために」別府哲著を読みました。
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自己肯定感の大切さは色んな場面で見ます。
自信を持っている人は自己肯定感が高い
自己肯定感が高いから自分のことが愛せる
など自己肯定感の大切さを表現するエピソードは色んな場面で聞きます。
昔、学会で知り合ったOTから
と聞いたことがあります。
一重に自己肯定感が高いと言っても全てのことに高いわけではなく、
野球をやっていたから野球に対する自己肯定感が高いとか
勉強が出来るから勉強に対する自己肯定感が高いとか
そういった考えになるとのこと。
自己肯定感という言葉一つを切り取ってもすごく深まるもんだと感心しました。
自己肯定感について
書籍によると、立命館大学の高垣忠一郎さんは自己肯定感を2種類に分けています
「競争的自己肯定感」と「共感的自己肯定感」です。
競争に勝ち他人より優れたところをもつことで保たれる「競争的自己肯定感」
何もできなくてもそこにいてよいと感じられる自己のかけがえのなさに基づく「共感的自己肯定感」
先ほども挙げた特定の出来事での自己肯定感は競争的自己肯定感になります。
そして、書籍でよく表紙に載っている例も競争的自己肯定感になると思います。
この共感的自己肯定感、書籍のタイトルは自閉症児に向けて大切としていますが、これは全ての方にとって大切になります。
ガンダムでアムロが
「まだ僕には帰れる場所があるんだ。こんな嬉しいことはない」
と言い、仲間の元に帰ろうと頑張ったように、競争的自己肯定感は本人が苦しい時の支えになります。
国立民族学博物館の准教授 広瀬浩二郎さんは弱視になられてから通われた弱視学級や盲学校にて学んだことや経験したこととして弱視を恥じないこと(自信)と自己の文化の根幹を創ることを挙げていました。
広瀬さんの生きざまは自己のかけがえのなさに気づくことは挑戦をするために必要なことだと伝えてくれます。
安心感を与えることの大切さ
書籍「自閉症児者の発達と生活 共感的自己肯定感を育むために」では、自閉症の方の支援の必要なこととして
障害特徴を考慮し、安心感を十分に保証することは優先的に必要です。
安心感の中で育った外へと向かう気持ちを、大人だけではなく仲間に受け止められたと感じられる経験につなげる。
としています。
安心できる場所が土台となることで挑戦が出来る。挑戦した先で受け入れられることで「共感的自己肯定感」が得られるとあります。
それでは、一番最初に安心できる場所はどこになるのでしょうか?
それは家庭です。
虐待等をせずに子どもを愛していれば、安心できる場所は出来ていくでしょう。
ハートネットTVで奮闘していた子たちも好きなことがあるから頑張れるとありましたが、その好きなことを受け入れる家庭だからこそ頑張れているのしょう。
支援において、ダメなことは伝えつつ、その子の気持ちを受け入れる。
「ここは自分の場所」と思ってくれたら、挑戦できる場所が増えていきそうです。
今後も書籍と臨床を照らし合わせて考えていきます。
それではまた。