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学童期前期までに所属する子どもの3つの集団について② 遊びと教育

前回の続き

前回のブログでは3つの集団の1つ、家族集団について考えをまとめました。

このブログでは残り2つを挙げたいと思います。

 

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遊び集団

ひとは他者との遊びを通して、自己中心的な自己愛を少しずつ修正し、自尊心を調節しながら他者との関係を身につけていく。

引用‥ひとと集団・場-ひとの集まりと場を利用するー山根 寛 著

 

 

遊びを通じて成長していく時期です。

並行遊びや課題遊びを想定しているので、幼稚園や保育園に通う3~6歳くらいの子が経験しておきたい時期となります。

引用文が難しいのですが、自分中心に考えてしまうこの時期にいかに他者と共存していくか、と解釈します。

人は4歳くらいですこしずつ「心の理論」が成立し始めます。

やっと少しだけ他者のことを考えられるようになるんですね。

 

「絶対にやる・やらない」「あれじゃないとダメ・あれ以外が良い」

の完全対立の時期から、どこまで譲れるのか。

  • 自分が持っているおもちゃでずっと遊びたいけど順番を守らないといけない
  • 糊を使い終わったけど、他の子も取りやすい位置に置こう

上記のような自分だけでなく、他者のことも考えた行動が出来てくると嬉しいですね。

子どもたちに手伝いたいこと

上記内容を踏まえて、この時期に手伝いたいことは、

  1. ヒトの気持ちの代弁
  2. ルールの提案

と感じます。

ヒトの気持ちの代弁

相手のことを考えないと生まれない行動ですが、まだまだ相手のことを考える力センサーが出始めた時です。そのセンサーの感度はよろしくありません。

考えるヒントを提供するために、ヒトの気持ちを伝えたいです。

「〇〇くん今遊びたいと思っているよ」とか

ルールの提案

「これじゃないと嫌」と感じることでもどこまでなら譲れるか。

遊びたいおもちゃを

  • 一緒に遊べるのか
  • 複数あるなら一つだけなら渡せるのか
  • 10分後なら渡せるのか

など、0or100 ではなくどこまでなら譲ることが出来るのかを一緒に考えていく

ことを手伝いたいです。

学習集団

特に学童期前期(小学校低学年)には、「先生が言っていたよ」と子どもがよく口にするように、教師に教わるという形で、社会生活の基本的なルールを身に着ける時期である。そうしたみんながそろって教わるという集まり(学習集団)がつくりやすい時期である。

引用‥ひとと集団・場-ひとの集まりと場を利用するー山根 寛 著

最後の集団の「学習集団」です。社会の基本的なルールと知識技術をもっと知りたいと感じることで教わろうという気持ちが高まる。教わっていくことで自分の理想やルールが出来上がっていきます。

会話の時のルールやあいさつなどいろんなことを伝えていきたいです。

 

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逆に言うと「もっと知りたい!」「人と仲良くしたい!」という気持ちが無いとこの集団に所属しずらいようにも感じます。

遊び集団の大切さ

遊び集団での経験が少ないと、ヒトと協力しあって課題を達成していくこの時期に一人で遊んでいる、その結果学ぶべきルールを学ぶ機会が減ってしまうようです。

善悪の判断無く規則が守れない子どもに、そうした遊び集団の経験のない子どもが多い。

引用‥ひとと集団・場-ひとの集まりと場を利用するー山根 寛 著

まとめ

今回の学び
・社会に出ていくことに家族集団の安定が影響する
・遊び集団は人との関係作りの基盤を作る
・遊び集団をたくさん経験することで学習集団での学びが増える
事業所の利用者の中には、遊び集団の経験が少ないように感じます。
集団に必要性を感じていない児童もいますが、社会の中で生きるために経験してほしいです。
集団に入るのに手伝えることは「この人がいるなら行ってもよい」という気持ちをもってもらえる関係性を作ること。まずは大人が仲介出来るように、集団の前の二者関係を築くことと感じます。
 
以上で終了します。