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【発達の地図】沼地から出て高い所から考えよう。本を読んでみてのまとめ。

こどもと家族が人生を描く発達の地図

 

特定非営利活動法人はびりすの代表 山口清明さんと北島静香さんが書いた本です。

山口さんは作業療法士、北島さんは言語聴覚士です。

この本は療育の仕方のような技術書ではありません。

今までの臨床経験から子どもと親が抱える悩みの捉え方のコツが書かれています。

  • じっとできない
  • 手先が不器用
  • 体幹が弱い

皆さんさまざまな悩みを抱えられています。

お箸が上手くなりたいという思いで療育を受けて、お箸が上手くなったら鉛筆が上手く使えない。鉛筆が上手く持てるようになったら字をきれいに書けない。

親や子の悩みは永遠に続いていきます。

そんな悩みとどう向き合うか。

本書には、そのヒントが書かれています。

沼地でもがく時期

山口さんは3万に近い保護者と関わる中でお悩みが大きく3つに絞れるのでは、と気づいたようです。

  1. うちの子、何かが違う
  2. 誰もわかってくれない
  3. 私の産み方がわるかった

3の方とは出会っていませんが、1と2の悩みとはよく出会います。

そして、保護者は普通になってほしいと願います。

元気に過ごしていても

  • 2歳でトイレにイケるようになった子がいる
  • 他の子は元気に挨拶をしている
  • 年中で平仮名を覚えている子がいる

自分の子どもの気になる所は子育ての中で大きな壁として現れます。

山口さんは

子育てとは三大お悩みとの格闘でもあるといえるでしょう。

としています。

この悩みにもがいていることを沼地と表現されています。

高度を上げて考えよう

この沼地の中で保護者はどれだけ深いかも分からず一生懸命沈まないようにもがきます。

今はその沼地から出ることで一生懸命なので、未来を考えたり、ポジティブに考えたりすることは出来ません。

沼から出て山の上から見て見たり、大空の上から見たりすることで見える景色を変えると意外と沼も小さかったりするものです。

というのがこの本での考えです。

本ではそのためのノウハウや考え方の手順が書かれています。

 

この考えには非常に共感します。悩み事を話すお母さんはとにかく暗いです。

本書にもありますが、もがくことが悪いわけではないですが、目指すところが無く、ひたすらに苦しんでいる印象を受けます。

出来ていることがあっても、大したことがないように扱い、出来ないことに埋没される。それをポジティブな見方に変更するのが私たちの仕事ですが、聞き入れることが出来ない状況にあります。

また支援者側も、他の児童とレベルが違う、同じことが出来ないなど沼地にとらわれることが多々あります。

エリクソンは学童期の課題を劣等感の克服としています。これは子どもだけの課題ではなく一緒に伴走する保護者や支援者の課題でもあるのでしょう。

 

高度を上げて考える。これには練習が必要そうです。

娘で試してみようかな。

 

今後も本を読んでの感想をまとめていきます。

それではまた。