叱ることについて
1才児を見ていると次から次へと興味が湧き出ていることに気付きます。
食事場面、さっきまでおかずに興味を持っていたのに、テーブルの上の七味を見つけるとそちらに向かっていく。
喉が渇いたからお茶を飲もうとしていたはずなのに、こぼしてしまったらお茶をパチャパチャと叩いて遊びだす。
喉の渇きはどこへやら。
自分のものよりも親のモノ。
さっきまであったものより新しく出たモノ。
次から次に刺激にさらされて疲れないから素敵です。
「のうだま」によると人の脳は、強く受けた刺激もだんだん慣れるようになっているとあります。やはり大人と子どもでは慣れることにも違いがあるように感じます。
敏感期の子どもはいたずらが使命
このような状態の子どもは「敏感期」と表現されます。
0から3才の子どもは、自由に動き始めた手指を、いろいろ使ってみたいという強い衝動に駆られる「運動期の敏感期」にあるのです。成長の過程で「今、あなたは指でひねることを練習して、覚えなさい」という、その子にしかわからない「神様からの宿題」をこなしている最中なのです。
0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育才能をぐんぐん伸ばす! 藤崎達宏 書
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出来ることが増えたからやりたい!やれそう!が増えている時期。
今まで出来なかったことが出来る喜びを何度も感じているのでしょう。
- トイレットペーパーを際限なく引っ張る
- 財布の中身を全て出す
- 煮干しを袋からすべて出す
このようないたずらは成長のために通るべき道です。
可能な範囲でやって良い環境を作ってあげたいものです。
しかし、止めないといけないこともあります。
- 口の中に食べ物では無いものを入れて飲み込もうとする
- 刃物を触ろうとする
- 友だちのおもちゃをとる
好奇心に任せた行動でも身の危険が迫ったり、他者に危害を加える行動は止める必要があります。
変えてほしい行動
0才児や1才児だと、何を問われているのかが分からないので止めるだけで良いですが、3才児くらいになると理性が出てきます。
4才くらいになると自分を客観視することも出来るようになるため、行動に抑制が効いてきます。(多少はね)
行動を変えてもらうために叱らないといけない場面があります。
- 自分がやりたいからと人のおもちゃをとる
- 道路に跳び出す
- いつまでも遊んで寝ようとしない
等自分や他者の不利益になる行動は容認出来ません。
そんな時は叱ります。
(危害がなくてもマナー等で叱ることは多々ありますが)
叱る時のポイント
叱るのにもポイントがあります。
0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育才能をぐんぐん伸ばす!では、
- 叱るときは真剣に
- 叱るときには「その場で」
- 叱るときには「短く」
- 叱ることに罪悪感を持たない
- 夫婦間の価値観を統一する
を上げておりました。
また、モンテッソーリでわかるイヤイヤ期の子どものたすけ方では
大人は感情的にならず、してはいけないことは「ダメ」と冷静に伝え続けましょう。
ともあります。
怒ることにもたくさんポイントがあるものです。
特に大切だと感じるものがいくつかあります。
叱る時には「その場で」叱る時には「短く」
この内容はとても大切に感じます。
- 時間が経ってから伝えても覚えていない
- 重要な出来事とも捉えていない
- 長く話しても子どもは理解出来ていない
子どもに物事を伝えるには、出来事の鮮度が大切です。
子どもが「はい」と返事をしても、返事をしておいたほうが良いと思ってしていることもあります。
叱ったことが大人の満足にならないよう気をつけないといけません。
夫婦間の価値観を統一する
ルールの一貫性が大事になります。
- 父は許さないが、母は許す。
- さっきは良かったが今はダメ。
ルールが不統一になると子どもは混乱するため、行動に反映されなくなります。
大人は感情的にならず、してはいけないことは「ダメ」と冷静に伝え続ける
イヤイヤ期の子どもたちは自分たちの行動で大人がどんな反応をするか楽しむこともあるようです。
- 自分の行動で大人が怒る
- 自分の行動で大人が無視する
それすら楽しめる最強っぷり。大人もおもちゃの一つです。
強い反応をせずにおもちゃにならないよう冷静に伝えることが大切になります。
受け止め方も人それぞれ
叱ること自体は必要なことですが、叱られていることを受け止められる量は児童によって違います。
子どもからすると叱られることは否定されることなので、ショックを受けます。
ショックへの耐性は、自己肯定感の高さ、年齢、生活歴等によって変わってきます。
個人を叱るとアイデンティティーを傷つけてしまうので、
- 人格を指摘しない
- 行動を叱るようにする
など、気をつけることがあります。
- 「おまえはあほか」は個人を叱ること
- 「コップを両手で持ちなさい」は行動を叱ること
行動を叱ることで子どものプライドを守ります。
ダメという言葉が受け入れられない子もいる
気をつけることの一つに言葉の選択があります。
例えば、「ダメ」という言葉に人一倍傷ついてしまう子もいます。
叱るポイントにもあったように「その場で」叱るためには「ダメ」は咄嗟に出やすい言葉ではあります。
しかしその言葉を受けると立ち直るのにすごく時間がかかったり、暴れるように混乱したりする子がいます。
先日、人がいる方向に物を投げていた子がいたので、咄嗟に「ダメ」と伝えると大混乱した子がいました。
優しく言ってみるとかそういう問題ではなく、その言葉を言われるともの凄い絶望感を受けるとか、気持ちが爆発するとかそんな印象です。
他の子とは受け止め方が違っていて「ダメ」の言葉しか耳に入っていない様子。
どんな素晴らしい説明をしてもその言葉一つでシャットアウト。
「ダメ」以外にも違う言葉の選択はいくらでもあるはずです。
- 「投げるのおしまい」
- 「片付けようか」
- 「ボールを持とう」
伝えるためには相手が落ち着いていないといけません。
心が乱れにくい方法を探していく必要があります。
傷付く言葉も人によって違うので、「その言葉が嫌だったの」と驚かされる子もいます。
しかし、分かっていても咄嗟には出てこないものです。
NGワードを使ったことを後悔するのではなく、次同じ場面があった時には何というか振り返り、考えていくことが大切になります。
大人も興奮している時には考えることは出来ないものです。
落ち着いている時に考える、振り返ることで咄嗟の対応につなげていきたいものです。
また、怒ることと同時に誉めることも大切です。
1回怒ったら1回誉める。
これは、自己肯定感を高めていくことに大切な心掛けです。
誉め方についてはこちらから
必要以上に叱らないようにするためには、精神の安定も必要。
私は、ウクレレを通じて精神統一してきます。
参考文献2
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今後も子どもとの関わりの注意点をまとめていきます。
それではまた。