保育所等訪問支援について
児童の通所サービスの一つに保育所等訪問支援というものがあります。
これは訪問支援員が児童の生活の場に行って、直接関わる直接支援や先生や環境に関わる間接支援を行うというものです。
通所サービスなのに利用者が通わないという不思議なモノです。
保育所等訪問支援といっても行く場所は保育所だけではありません。
保育所等訪問支援の効果的な実施を図るための手引書には、誰が訪問支援を行うかについて
障害児支援に関する知識及び相当の経験を有する児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士又は心理担当職員であって、集団生活への適応のため支援の技術を要する者
としています。
障害福祉に関わるさまざまな職種の方が参加できるものです。
これとよく似た制度があります。
巡回・派遣です。
私の職場のある市でも巡回・派遣が行われており、市の専門職の方が保育所等に行き、様子を見て職員と意見交換を行うといったことをされているようです。
(保護者から聞いた話)
この巡回・派遣と保育所等訪問支援には大きな違いがあり、それがこの制度の最大の特徴に思います。
巡回・派遣は保育所や幼稚園・学校の依頼に基づき行われます。
それに対し、保育所等訪問支援は保護者からの申請に基づいて行われます。
保護者の権利を保障する事業として位置づけられている
と厚生労働省の名前で作成されている「保育所等訪問支援の効果的な実施を図るための手引書」には記載されています。
前置きが長くなりましたが、今回読んでいる「学校に作業療法を」は
子ども相談支援センターゆいまわる 仲間知穂さんが保育所等訪問支援での活動について書かれている本です。
僕の好きな本の一つで、繰り返し読んでいる一冊です。
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「届けたい教育」という考え方
書籍では、
- 保育所等訪問支援に関する事例
- 事業所を創るまでの経緯
- 学校との協働
- 学校訪問の今後について
など学校訪問、保育所等訪問について書かれています。
その中に届けたい教育という言葉があります。
届けたい教育とは
先生がその子に届けたいことだけでなく、親が学校でできるようになってほしいと願うことや、その子自身がやりたいこと、できるようになりたいこと
その子の将来に向けて、いまかなえたい大切な活動がすべて含まれる
とあります。
保育所等訪問を行うということは、生活の場でなにか上手くいかないことがあるということ。(保護者がただ心配というパターンもありますが)
どうしても問題解決に向けての話し合いが中心になってしまいます。
次から次へと出てくる通常と逸脱する状況に関わる人が四苦八苦するケースを日々体験します。
届けたい教育を皆で共有し、指針を作ることで一つのやり方にこだわらない関わりにつながってくるとのことです。
これは、「発達の地図」で山口清明さんが言っている「沼地からの脱出」という考えに似ています。
問題点のみを追うとどれだけ悩んでも答えの出ない問題に出会うことがあります。
それを山口さんは「沼地にはまっている」と表現されます。
沼地から出て高い所から見ると問題が違って見える。
問題を見ずに目指すところをみると関わり方が無数に見えてくる。
家庭で学校と話の中心は違いますが、本質は同じことに気付きます。
大切なのは、目指す先を決めること
目指す先、目標は決めることは成長にはとても大切なことです。
気になることや課題に目がいきがちになりますが、何をしたいのかが分からないとバテてしまいます。
関わる子はどうなりたいか、周りの人はその子にどうなってほしいか。
明るい目標が出きると皆が笑顔になります。
悩んだ時には一度そこに立ち戻りたいものです。
今後も読書→アウトプットを行っていきます。
それではまた。