ワーキングメモリーの続きです。
前回はワーキングメモリーの概要について書きました。
今回はワーキングメモリーが弱い児童の特徴と支援について考えていきます。
概要についてはこちらから
ワーキングメモリーの弱い子どもの特徴
ワーキングメモリーの弱い子どもと関わっている時に感じることがいくつかあります。
- 言葉だけの話では集中出来ない
- 複数の指示を出した時に作業を途中でやめる
- 活動の修正が苦手
この3つを良く感じます。
書籍では、
全体をつかめず、理解が不十分となることも少ない
複雑な文章や説明は、記憶や推論を多く必要とするため、理解が不十分となりやすい。
等も挙げられています。
聞き逃していたり、間違えて覚えたりすることもあるため、会話でのやりとりや質問に対して、上手く返答出来ないこともあります。
今回書いている内容は聞いて覚えるものが多いので、ワーキングメモリーのシステムでも特に、
- 中央実行系の注意のコントロールを行う
- 音韻性ループの聞いて覚える
- エピソードバッファの適切な情報を引き出す
これらのシステムが大きく影響しているのでしょう。
- 話を覚えることに集中しにくいため、聞き続けづらい
- 聞いて覚える量が少ないため、作業を途中でやめてしまう
- 適切な情報を留めたり、記憶の引き出しから引っ張り出すことが苦手なため、推論しにくい
等のことが考えられます。
それでは、ワーキングメモリーの弱い子にどのような支援をすると作業が行いやすくなるでしょうか。
ワーキングメモリーの弱い子どもへの支援
ワーキングメモリーの支援では
- 注意が向いてから話す、注目するモノを出しながら話す
- 伝える言葉の量を減らす
- 絵や写真、文字など情報を残す
- 片付けをして環境を整える
などが挙げられます。
注意が向いてから話す、注目するモノを出しながら話す
話を聞くときに、適切に注意を向けること、向け続けることが苦手な場合があります。
- 名前を読んで、顔が向いてから話をする
- 絵や写真等注目する所を分かりやすくする
など注意を向けやすくする工夫を行うことで話が聞きやすくなります。
伝える言葉の量を減らす
一度に覚えられる量に合わせて伝える作業の量を調整します。
- 一つの指示を出して、作業を終えたら次の作業の声掛けをする
- 簡潔に、短い言葉で伝える
など一度に伝える量を減らすことで作業の行いやすさが変わります。
絵や写真、文字など情報を残す
言葉は話すとすぐに無くなってしまうため、確認することが出来ません。
絵や写真、文字など情報を残すことで忘れてしまっても確認できるように環境調整を行います。
片付けをして環境を整える
只でさえ注意が逸れやすく、保ちにくい状況です。不必要なものがあったり、騒がしい場所ではより集中がしにくくなります。
- 可能な限り整理整頓をする
- 使ったものを片付けてから次の作業を行う
- 静かになってから話す
などの環境調整を行うことで作業が行いやすくなります。
本日の参考文献
こちらの本はWISCについて分かりやすく必要な情報をまとめてくれています。 |
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今後も作業の影響する因子について感が手まとめたいと思います。
ワーキングメモリーの内容は、加筆後一つにまとめたいと思います。
それではまた。