人が作業をするうえで椅子はとても重要です。
高さや形状が変わると座る姿勢の安定性が変わり、作業効率も変わります。
今回は簡単に出来る椅子のチェックポイントとトイザらスで購入した椅子の紹介をします。
子どもの椅子について
保護者や先生と、座る姿勢について話すことがよくあります。
椅子に座っている時に
- 背中が丸まっている
- あぐらをかいている
- 足を組んでいる
- 肘をつく など
大人から見て気になることがいろいろあります。
そんな時に僕が行う質問の一つに
があります。
「この椅子を買うと姿勢が良くなるんですよ~」
という話ではありません。
子どもの姿勢は使っている椅子にとても影響されます。
椅子で確認してほしい2つのこと
いろんな調整の方法がありますが、少なくとも確認してほしいことが二つあります。
座面の高さと座面の奥行です。
自分の体の大きさに合わない椅子を使うと足が浮いたり、背もたれから背中が大きく離れたりします。
子どもは大人より体を支える力が弱いです。
作業の時間が長くなるとへばってしまい姿勢が崩れます。
また発達障がいを抱える子は姿勢を保つ力が弱いことが多いです。
姿勢が保ちにくいと集中力も低下しやすくなります。
自分の体の大きさに合った椅子を使うことが大切です。
座面の高さと奥行、一つずつ確認します。
座面の高さについて
座面の高さは高すぎても低すぎてもよくありません。足でしっかり踏ん張れ、姿勢を伸ばしやすくなる高さを求めます。
ちょうどよい座面の高さ
座面の高さは
床に足がついた状態で膝が90°に曲がる高さがちょうど良いです。
足がしっかり床に着くため踏ん張りやすく、背中も伸びやすい高さです。
高すぎたり、低すぎたりするとどうなるのでしょうか。
座面が高すぎる場合
座面が高すぎる場合、足の裏が床に着かなくなります。
そのため安定して座るために色んな作戦を無意識にとろうとします。
- 足の裏を突かせるため、椅子の前方に移動しようとするため、お尻がどんどん椅子の前にずれていく。
- 背もたれから離れるため、自身の体を保とうとあぐらをかいたり、足を組んだりする。
- どんどんお尻が前に行くため椅子から落ちる など
座面が高いと一時的には腹筋に力が入りやすくなりますが、子どもは疲れるために、すぐに姿勢が崩れてしまいます。
授業は45分あります。
体を支え続けることは出来ません。
座面が低すぎる場合
座面が低いと骨盤が後ろに傾き姿勢を保つ力が入りにくくなります。
その結果姿勢が崩れやすくなります。
- 猫背になり、背もたれを押すのでお尻がどんどん前にずれていく
- 体が硬いと背中の筋肉が引っ張られ、お尻がどんどん前にずれていく
- 猫背になるので肩の力が入りにくく、細かい動作が行いにくくなる など
座面の高さの調整について
現在使っている椅子の座面が高いな、低いなと思った時には、調整を行うと作業のしやすさが変わってきます。
- 座面が高い時 足元に台を置いて足がつくようにします。
- 座面が低い時 座面にタオルやクッションを敷いて高さを上げます。
座面の奥行について
座面の奥行は写真の赤線の部分のことです。
ちょうどよい奥行の長さ
奥行の長さは
膝と椅子の長さの差が指2本程度(4センチ程度)の長さがちょうど良いです。
同じ長さだと椅子の先が足に当たるため不快感につながります。
足に当たらず背もたれにもたれられる長さが良いです。
奥行が長すぎる場合
奥行が長すぎる場合、膝を曲げることが出来ず、足裏が浮いてしまいます。
そのために安定して座るために色んな作戦を無意識にとろうとします。
- 膝を曲げるために、椅子の前方に移動しようとするため、お尻がどんどん椅子の前にずれていく。
- 足で踏ん張れず、お腹の力で支えなくてはいけないので、安定するために足を組んだり、あぐらをかいたりする。 など
奥行が長いと座面が広くなるので、あぐらや正座がしやすくなります。
椅子を床のように使用している印象です。
奥行が短すぎる場合
奥行が短いと体を支える面が狭くなり不安定になります。
体を支える面を支持基底面といいます。
一輪車より自転車が安定しやすいように支持基底面は広いほど安定し、狭いほど不安定になります。
そのため姿勢を安定させるために色んな作戦をとります。
- 過度に背中を反ったり、丸めたりして、筋肉を使わない姿勢をとろうとする。腰痛につながる。
- 背もたれにもたれてバランスをとろうとするのでお尻が前にズレる。など
奥行の高さの調整について
現在使っている椅子の奥行が長いな、短いなと思った時には、調整を行うと作業のしやすさが変わってきます。
- 奥行が長い時 背もたれの前にクッションやタオルを置いて座面を短くします。
- 奥行が短い時 椅子の対象年齢が実年齢より低いことが予想されます。椅子の変更を検討する必要があります。