いじめない力、いじめられない力を読んで
暴力を働く子はいろいろ言い訳しますが、根底にはその子自身が抱えるストレスがあり、そのストレスがうまく処理できていないケースが少なくないと私は考えています。
つくづく痛感するのは「課題を抱えていない子は他者に暴力など振るわない」ということなのです。
引用 いじめない力、いじめられない力 品川裕香 書
子どもの本を借りに図書館へ行きました。
たまには大人の本を借りようと本棚を探すとこちらの本に出会いました。
こちらの本は、教育ジャーナリスト 品川裕香さんが執筆されています。今までのいじめに関する取材を通じて、いじめなどの負の経験をしても立ち上がる力弾力の大切さを確信されています。
その弾力についての説明と身に着け方について書かれた本です。
複雑な子ども社会
書籍ではいじめ問題が取り上げられておりますが、自分が小学生の時よりも人間関係が複雑になっているなという印象を受けます。
いじめといえば、呼び出されて叩かれるとかねちねちと何かを言われ続けるとかお金を巻き上げられるとかそんなイメージ。
そういうことは自分の学生自体にもありました。
それは対面の世界で行われており、分かりやすい環境の中で行われていた印象です。
さすがに家にきて、殴りにいくような人がいたという話は僕の周りでは聞いたことがありません。
家にいればいじめの世界からは離れやすかったように思います。
この本は2014年出版の本です。LINEの文化がすでに小学生の中にも浸透しています。
既読無視がいじめの手段として出てきています。
また、ネットではいじめっ子、現実ではいじめられっ子など場所によっても役割が変わるとのことです。
現在ではインスタ等のSNSにも広がっていそうですね。
家にいてもいじめがすぐ近くにいる時代になっています。
既読無視もそれ単体では、いじめにならないでしょうが、悪意を持って行っている時には、既読無視以外のこともしているでしょう。
課題を抱えていない子は他者に暴力など振るわない
冒頭にもあった一文。
いじめるという行為は許されないけど、いじめる側もストレスを抱えているとのことです。
例で挙がっていた児童は、家族が弟を可愛がり、自分を可愛がってくれない、自分をいらない子と言ってくるということがストレスになっていた様子。
親が気兼ねなく言った言葉でも子どもはとても傷つきます。
親の言葉は子どもに突き刺ささり、貯まっていくのです。
子どもの安定にはまず家庭の安定が大切だということは様々な本が教えてくれます。
自分の気持ちをコトバに出来る力
書籍には12種類の弾力について解説がありました。
その内の一つは
自分の気持ちをコトバに出来る力です。
ひとつはやめてと伝えられること。
それでいじめがエスカレートしないこともあるようです。
もう一つはいじめの状況や自分がどう思ったかを自分で理解し、納得すること。
これが出来ないと苦しみを考え、発熱、倦怠感、頭痛等の身体症状や恐怖、不安といった感情が残るようです。
子どもには自分の心の中を表現できる力を養わせていきたいものです。
そのためには、日頃から子どもと話しかけることが大切です。
小さい時から、子どもの感情や状況を代弁し、言葉を貯めていくこと。そして、表出してもらうこと。
親の関わりが子どもの力になります。