ルールの理解をどう促す②覚える量が限られる子どもへの工夫

ルールを伝えることについて考える

1回飛ばしてルールを伝えることについて考える回に戻ります。

 

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ルールが伝わらないことの背景は児童によって様々です。

・言葉の理解が難しい

・一度に聞いて覚える量が限られている。

・話を聞いている時に意識がどこかに向いている

・見えたものに反応してしまう

・覚醒状態が低い

 

などさまざまな理由があります。

共通する対応もあればそれぞれの状況に合わせた関りも必要になってきます。

 

覚える力

言葉を聞いて覚えられる量は人によって変わってきます。

得意な子もいれば不得意な子もいます。

この聞いて覚える力を図る検査にWISCというものがあります。知能検査の一つです。

言語理解、知覚推理、処理速度、ワーキングメモリーと4つの認知能力を検査するのですが、その中のワーキングメモリーが聞いて覚える力に影響します。

ワーキングメモリー

ワーキングメモリーは見たこと、聞いたこと、体験したこと、ストーリーなどを覚える力、覚えたことを保ったり、引き出したりすることに影響します。その作業をしている時間の間、数秒から数十秒の時間の記憶管理にかかる記憶の力です。

何度も行うことで獲得していく記憶は長期記憶とか遠隔記憶など別の記憶の力と分けられます。

ルールの理解をどう促す

ワーキングメモリーの能力が不得意だと説明を聞いた時に覚えられ量が限られます。結果ルールが分かりません。

言葉はしゃべった後、すぐに消えてしまいますので。

ドラえもんのコエカタマリンのように残ってくれると良いのですが。

一度にたくさんの指示を出さず、どれか一つに絞り、順に伝えていきましょう。また、準備物や手順をカードに書いておき、それを見せながら伝えることも効果的です。

引用:通常学級のユニバーサルデザインプランZERO阿部俊彦編著

上記の内容は話を聞き逃してしまう子の支援方法として書かれていました。

ワーキングメモリーが不得意な子にも有効そうです。

一度にたくさんの指示を出さない

一度にたくさんの指示を出すと覚えられないのでどこかで支援が必要になります。

特に作業の開始時に支援が必要になるかもしれません。説明の最初にあたるので、一番古い記憶になり忘れがちです。そうなると作業の開始が出来ない場合があります。

作業の工程数を分けることが必要です。

分けた作業を覚えられる量に合わせて、一つずつ伝えて作業に移ってもらう。もしくは二つずつ伝えるなどの調整を行うことで作業に取り組みやすくなります。

 

カードや手順表を見せながら行う

言葉は口にするとすぐに消えてしまいます。

言葉だけの説明は忘れてしまうことが多くなります。

カードや手順表等、いつでも確認出来るものがあると忘れても確認することが出来ます。大事なことは書く、もしくは描くことですね。

整理整頓をする

覚える量に限りがある子たちです。余計なものがあると情報量が増えて、覚える容量の邪魔をします。道具を使うなら一つずつ見せる。使わないものを片付ける等環境の調整も効果的です。

 

前回と似ている支援もあれば違う支援もありました。

また他の場合も考えていきたいと思います。

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