学生の言葉は強い

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只今、作業療法士の実習生が職場に来ています。

作業療法士が国家試験を受けるためには、専門学校や大学を卒業する必要があります。

その中で臨床実習は必須で、病院や老健等現場で見学や実践を経験します。

ぼくの場合は、

  • 1年生で3日×2 
  • 2年生で2週間×2回 
  • 3年生で2か月半×2回

くらい行っていました。

 

今年の実習生は大変です。

コロナの関係で実習先に行けない子もいると聞きました。

 

最後の実習である長期実習が行えなければ、経験を積まずに即就職、即現場になります。

次の新卒の方たちをどのように育てていくかは、たくさんの職場で課題になるかと思います。

*2021年度は、新人が自分を過小評価していると日本作業療法士協会が懸念しておりました。

 

さてさて、そんな実習生との対話は考えさせられることがたくさんあります。

私は現場や専門性に慣れてしまい、世間と考えがズレているところがあると思います。

そのズレに対し、私が修正しないといけない時もありますが、逆に世間がこちらに寄ってもらうことで明るい社会になるような出来事もあるとも思います。

 

実習生は、自分の専門を学んではいるものの、当然プロではありません。

その言葉一つ一つが世間の声であり、現状を強く感じさせられることがあります。

 

-実習生との会話の中で-

今回、児童の見学をしてもらいました。見学終了後に気になったことを聞くと、

「話をしている時に子供がゴソゴソと動いている様子が見られた」

という意見をもらいました。

 

たしかに、その子は話をしている時によく動く子です。座って話を聞く場面では、手が動いたり、なにかを思いついて行動に移しやすいです。

 

この子だけではなく、僕の事業所に通う子たちは人と話をする時に動いている子が多いです。その中では、その子は比較的動きが少ない子になります。

僕自身は児童の気になることとしてピックアップしていなかったため学生が一日見てて、気になったことの一つに挙がったことに少し驚きました。

感度が鈍っていたこととそのこと自体を問題視していなかったからです。

 

なぜ動くといけないのかを尋ねると、

「授業中だとじっとしていないと周りの子に迷惑だから」

 

なるほど。

これがリアルな声ですね。

 

僕は保護者や学校との話し合いで、この意見に向き合っていかないといけないんだなということを突きつけられたように思います。

 

‐動くことで何が問題なのか‐

社会のルールの面では正しいことですが、どこまでが許されて、どこまでが許されないのかを環境や場面に合わせて、改めて考えていかないといけません。本当に話の時に動くことはダメなことなのか。

 

今回学生が挙げた気になった行動場面は

  1. 児童が自分が話している最中に突然立ち上がって話をしだした
  2. 友達と意見交換をしている途中で話がまとまっていないのに、友達と一緒に活動に移ろうとした

この二つが挙げられました。

 

ではこれらは本人が動くことでなにか問題が生じる場面だったのでしょうか。

これを分析することが私の仕事の一部に思います。

 

①に関しては自分の話をしている時であれば立っても良いかと。

自分が注目されている時なので、立ち上がっても問題はないように思います。しかし、人がしゃべっている時に、どこか違う場所に行ってしまったり、よそ見をするのであれば社会性の面で問題が出てきます。

 

②に関しては友達と一緒に活動に移ろうとしたということは二人の関係性の中で問題はなかったかと思います。しかし、意見交換を通じて問題解決の方法を考える時間であったはずなのに、その途中で活動に移ろうとしていました。

行動の振り返りをすることや筋道をたてて物事を考えることを途中で辞めて行動に移っていました。そこは問題かと。

 

‐学生の言葉を通じて‐

「何が課題か」を考えると別の課題が出てきました。

現象=課題ではなく何故その現象が起きるのか、それを踏まえてどんな関わりが出来るのかを考えことの大切さを学びました。

また学生の言葉を通じて、自分の考えのすり合わせを行っていきたいと思います。